ミシガン大学MBA日本人ブログ

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Class of 2025 インターン就職活動 体験談 - IB就活編

こんにちは、Class of 2025 の M です。前回はアメリカでのインターン就活の概要をお伝えしましたが、今回はInvestment Banking (通称 IB) 業界での US就活の経験をシェアしたいと思います。

参考までに前回の記事: 
Class of 2025 インターン就職活動 体験談 - 概要編 - ミシガン大学MBA日本人ブログ

 

IB業界とは
Investment Banking (投資銀行) 業界 というのは、日本でも就職するのがとても難しく、また入社後もとてもハードな職場として有名ですが、アメリカでもそれは変わりません。

IB での仕事がどういうものかを詳細にここで語ることはしませんが、とても簡単に言えば、M&Aのお手伝いをしたり、IPOのお手伝いをしたり ということになっています。

 

なぜIB就活をすることにしたのか
まず、なぜ IB 就活をすることにしたのか についてシェアしたいと思います。

筆者は新卒でコンサル業界に進み、その後、テック企業で経営企画 兼 ファイナンス部署 みたいな仕事 (Financial Planning & Analysisという役割) をしてきました。このFinancial Planning & Analysis という仕事が楽しかったため、アメリカでも同様の業界・職種を第一志望として据えていました。

では、なぜ、そんな自分がIB就活をしていたのか という話になります

理由1: Financial Planning & Analysis 系の ポジションに絞ると数がかなり限られる
Financial Planning & Analysisは大きく括ると、Corporate Finance という 役割に括られるのですが、留学生向けの ビザサポートをしてくれるようなテック企業で、Corproate Finance のポジションとなると、かなり数が限られるのが実態です。そのため、そこだけに焦点を当てて就活を進めるのはリスキーだと判断しました。

理由2: バックグランド的に戦えない場所ではない
Financial Planning & Analysis や コンサルの仕事 というのは、IBでの仕事から距離はあるものの、全く接点がないバックグラウンドというほどではありません。Accounting / Finance 周りの知識もある程度身につけていますし、クライアントワークの経験もある ので、IB就活でも全く戦えないバックグランドではないだろうと判断しました。

こういった観点から、IB就活を行うこととしました。

 

タイムライン
IB業界向けの就活が一番ハードであることはMBAではとても有名です。会社訪問、大量のコーヒーチャット、多岐にわたるインタビュー対策 と かなりのコミットメントが求められます。

やることが多くタフなIB就活ですが、それでもやることのメリットがあります。
- 成功すればその後のキャリアの発展性が広いこと
- 就活のステップがかなりかっちりしているため、そのレールに従っていればインタビューまでは道が拓けること
- 仮にインターン獲得に失敗したとしても、タイムライン的に他業界への就活に挑戦できること 
などが挙げられます。

では、IB就活がどういったタイムラインだったのかをこちらでシェアします

 

9月
- 2週目 くらいから、IB就活に向けた学校内の説明会が始まります。ここでは、MBA2の先輩方が自身の体験 などを基に、就活のタイムラインはどうなっているのか、レジェメはどういうのが良いのか、会社説明会ではどう振る舞うべきか、コーヒーチャットとはどういうものか など手取り足取り教えてくれます
- 3週目 くらいからは、企業説明会 が始まります。企業説明会といっても、説明会で話を聞いて終わりではなく、その後に懇親会があり、そこでは社員から色んな話を聞き出すことが求められます。5時から会社説明会、7時から10時まで懇親会、帰った後はお礼メールを話した社員に向けて書く という流れとなっており、まぁまぁハードな日々が2週間くらい続きます

 

10月
- 会社説明会が一段落した後は、コーヒーチャットが徐々に解禁され、毎日のように各銀行の社員の誰かと話します。同時並行で、インタビュー対策もこの時期から徐々に始めます
- Fall A 終了後の秋休み (10月2週目くらい) には NYに1週間訪れ、現地で投資銀行各社をひたすらに訪問します。1日に2~3社訪問するので、まぁまぁしんどいです。1日の最後に訪問する企業とは、大体の場合、懇親会があります。これまたしんどいです

- 西海岸 (主にSFかPalo Alto) のオフィスを希望する学生は、NYを訪問した翌週にSFまで飛び、また1週間 銀行訪問の日々を迎えます。私はSF/Palo AltoでのTech領域を希望していたのでこちらも参加しました。これまたしんどいです
- Fall B (10月下旬) に入ると、コーヒーチャットがさらに本格化し、毎日3人~5人くらい話すことも普通にあります

 

11月
- 11月上旬には、先方がクローズリスト (面接に呼ぶ候補者リスト) を作り始めるので、コーヒーチャットの依頼自体ができなくなります。依頼しても、「そろそろ次のフェーズ移るからちょっと待って」みたいな反応になるか、単純に無視されます
- そのため、この時期からは、インタビューのinviteが来ることを祈りつつ、インタビュー対策を進める形になります
- Thanks Giving 前には、インタビューのinviteが来てThanks Giving 明けには、インタビューが行われます。インタビュー自体は、大体 2Round制で、1次ラウンドがオンラインでスクリーニング、それを通過すると、2次ラウンド (通称Super Day) が現地オフィスで行われる形式が大半です

 

12月
- 全てうまく行けば、12月上旬にはインターンのオファーを受け、あとは夏までゆっくり といった形になります。仮に失敗した場合は、他の業界への挑戦に切り替えます。
- このように、9月に入学し、12月には夏のインターン獲得向けの就活が終わる という短期決戦になっているのが、IB就活です。

 

結果と敗因
さて、私のIB就活の結果ですが、3社からインタビュー招待を頂いたものの、見事、全部 1次ラウンドで散ることとなりました。

敗因としては、以下の要因が挙げられるかと思います
- 英語:やはり、英語が厳しかったです。インタビュワーの質問を聞き取れない/勘違いすることがあり、それで的外れな回答をしてしまったことがありました。1次ラウンドはスクリーニングの要素があり、選ぶ というよりは 落とす という方向性で見られるため、こういったミスで落ちたと思われます
- インタビューの不慣れ:アメリカ式のインタビューにまだ不慣れだったと言えます。過去の経験をうまく話すことができず、自身の能力をうまく伝えることができていなかったなと思います

 

地理上のメリット
最後に、よくMichigan Ross を考えられている方の中から聞かれる「NYやSF等の大都市から遠い立地であることが、就活上 不利に働くのではないか」 という不安について応えたいと思います。結論的には、実はそうとも限りません。かくいう私も入学前には同様の不安を抱えていましたが、就活を終えた今は杞憂だったなと思います。

IB就活のコーヒーチャットですが、現在はほとんどオンラインで行われます。コロナを機に世の中の期待値が変化したためです。Michiganくらい遠い場所ならば、別にオンラインでも問題ないよね という認識になっています。コロナ前は、なんとMichigan Ross の生徒であろうとも、毎週末のように NYまでフライトで飛び、現地でコーヒーチャットを行う ということをしていたそうです。ですが、現在は、基本的にオンラインで完結となっています。

聞いたところによると、NYC や SF等の大都市に地味に近い学校の場合 (バスなどで数時間でいける 等)は、いまだに現地でコーヒーチャットを行うことが、銀行からの期待値となっているようです。そのため、彼らは、毎週、数時間かけてNYC 等まで行く必要があるようで、時間的 / 金銭的 / 身体的 にも負担となっているようです。

ちなみに、私の知る限りだと、コンサル業界やテック業界もオンラインでのコミュニケーションがメインになっており、Michigan Ross の学生は自分の部屋に籠もってコーヒーチャットをしていました。

 

次回のブログに向けて
上述のように筆者のIB就活は不発に終わりましたが、ここで学んだ知識や経験を活かして、もともと第一志望としていたCorproate Finance での インターン獲得をすることが結果的にできました。次のブログでは、Corproate Finance 領域での就活について語りたいと思います。