こんにちは、MBA2のAです。コーヒーチャットや説明会でよく質問されるので、今回はMAPが決まるまでのプロセスと、私の実際のアフリカの教育系NPOのプロジェクトの経過・感想を書いてみます。
MAPとは?
Michigan Rossのカリキュラムの目玉となるのが、MAPです。(Why Rossでは必ずMAPについて触れましょう!笑)30年以上の歴史があり、学校側はかなり力を入れています。他のビジネススクールとの違いは、主に期間とコミットメントが求められる点かと思います。1年目の最後の7週間、他の授業がなく(基本は履修できない)、全生徒がいずれかのMAPに属して注力することになります。(7.5単位になります)MAPの期間中は、MAPチームに対し、教授2名、MBA2のサポーター、そのほかリソースにアクセスするための専門の人たちがアドバイザーとしてサポートしてくれます。1年目の集大成となるこのプロジェクトですが、コアクラスの授業で実際に学んだことやグループワークでの経験を活かすことができます。
MAPが決まるまで
1. プロジェクトリスト公開
まず、例年だと12月の終わりごろ(冬休み中でした)に100近いプロジェクトのリストが公開されます。プロジェクトリストには、企業名やプロジェクトのテーマ、プロジェクトの内容(企業が依頼したいこと)、旅行期間と場所、必要なスキルなど詳しいことが記載されています。
企業は毎年異なるので、絶対にこれがある!とは言えませんが、2024年はAmazonやMicrosoftなどの大企業から、カジノやeスポーツの会社まで様々でした。業界も様々で、Tech、Consulting、Healthcare、Financial Service、Retail、Nonprofit、Education、Real estateなど多様です。国・地域も、アメリカ国内から、インド・アフリカ・ヨーロッパ・アジアなど様々な選択肢があります。トラベル(企業のある現地への出張)もしないものもあれば、数日だけ、1週間だけ、1か月間などの選択肢があります。※完全リモートのプロジェクトも少ないですがありました。HPから過去の企業はみれます。(https://michiganross.umich.edu/programs/map/projects?year=current)
(プロジェクトが多いので、学生から選ばれなかった企業のプロジェクトはなくなります笑)
2. プロジェクト希望提出~チームメンバーの決定
リストの中から15このプロジェクトを順位をつけて選び、各プロジェクトに対して自分がそのプロジェクトに行きたい理由や、貢献できるスキルや経験を簡単に書き提出します。これをもとに学校側がチームを4~6名で編成します。1月下旬にMAPのプロジェクトメンバー発表会がRossで行われ、渡された番号のテーブルに行くと、チームメンバーと対面します!
15個も選ばされますが、ほとんどの人は、1から5番目に選んだプロジェクトに入れると聞いています。
※私の選定基準は、①企業のビジョンやインダストリーが自分の関心に近いこと、②出張で海外に行けること、③出張が長すぎないこと、でした。とにかく教育がやりたかった私はケニアの教育NPOを1番に設定してこのプロジェクトに入ることになりました!
プロジェクト開始まで
チームでの交流をしたり、CPTやトラベルに関する簡単な手続きなどをします。また、企業(スポンサー)から連絡があり、関連する背景資料やNDAなどが送られてきたりもします。
プロジェクトスタート
3月から(WinterB)プロジェクトが開始します。最初の1週目は、ビジネスコミュニケーションのミニレクチャーや、チームでパフォーマンスを出すためには?というセッションなどに参加します。また、チームでどういう働き方がよいかを話し合う時間を設けて、例えば週1はin-personで集まろう。月から木以外は休みにしよう。といった全体のルールを決めたりします。また、スポンサーとの最初のMTGを行います。
~ここからは私個人のプロジェクトの話になります~
プロジェクト概要
チーム:チームはアメリカ人4名と私含む留学生2名の合計6名チームで、バックグラウンドはファイナンス、校長先生、セールス、オペレーション、エンジニアリング、コンサルティングと多様でした。(学校側はバッググラウンドのダイバーシティでチーム編成しているのかなと思われます)
企業:ケニアで教育の不平等と貧困に対処するために設立されたNPOがスポンサーでした。地域社会の発展を目指す統合型の社会的企業モデルをビジョンとしていました。学校の設立・教育の提供だけでなく、地域社会の雇用創出、経済発展、栄養改善にも貢献しています。
ゴール:アメリカを中心とした新しい寄付者を引き付けるための資金調達戦略の策定
提案内容:寄付者の特定、効果的なコミュニケーションプランの策定、そして資金調達基盤の強化をサポートしました。具体的なツールとして、寄付者向けのピッチデッキやビジネスケースを作成し、スポンサーがビジョンや資金調達の必要性を効果的に伝えるためにサポートを行いました。
よかったこと
本音ベースで本当に行ってよかったと思えたことです。Applicationの参考にはならないかもでごめんなさい(笑)
1. 出張先で見たり聞いたりしたことがLife-changingだった!
・初めてのアフリカ圏、初めてのケニア、初めてのスラム街。親がいない子供たちや、家では食事さえままならないような子供たちが、ぼろぼろの校舎で学んでいました。そんなバッググラウンドを感じさせないくらい、子供たちは、私たちMAPメンバーをとてもとてもあたたかく迎えてくれて、学校訪問の時にはすごくすごく喜んでくれました。プロジェクトの議論そっちのけで、みんな全力で子供たちと遊びました。Founder、Boardメンバー、学校で働く先生、子供たちの親から実際に話を聞いて目の当たりにする貧困の問題。(例えば、父親が全員異なる4人の子供をもつお母さんと話しました。仕事にも就けず、子供の教育はもちろん衣食住も提供できていない状況でした。たった数ドルがあればものを売ることなどでお金を稼げると言っていました、、)自分が何の不自由もなく生きていることがいかに幸せかとか、彼らには才能もあるし、夢もあるのに、生まれてきた環境が違うだけでこんなにもチャンスをつかむことが難しいなんて不公平だなとか、なにか少しでもこの子たちにしてあげられることはないのかな。とかいろいろ考えました。チームメンバーの女の子と一緒にエモくなって泣く瞬間も。。個人的なことでいうと、将来やりたいことはもちろん、自分の心が揺れる瞬間とか、やっぱり子供のために人生を費やしたいなとか、改めてそういうことに気付いたり考えたりして、本当によかったです。
2.チームメンバーとの関係。
・出張を経て関係が深まった! 出張先ではホテルから学校、学校から学校と、車での移動が多く、(ぼこぼこの土でできた道を1時間とか平気で進みます。)その間にメンバーと話す時間がたくさんありました。2台で3人ずつに分かれるということもあり、車の中の時間はまじめな話とかパーソナルな話とか結構深い話をするよい機会となり、かなり仲良くなりました。
・優秀なネイティブのビジネスコミュニケーションや働き方を感じた! 実際にネイティブがどうやって仕事を進めるのか、クライアントとの会議でのファシリテーションやメールでのやりとりなどを知ることができて勉強になりました。真似しよう!って思うことがたくさんありました。17時以降は働かないときっぱり宣言する人が多いあたりもアメリカだなって思ってました(笑)
3. MBA2とのメンターの出会い。
・たまたまなのですが、MBA2のメンターがコーチングの専門の人で、彼女との1-on-1のミーティングがすごくよかったです。MAPのプロジェクトだけでなく自分の課題や悩みに対して真摯に向き合ってくれました。ネイティブが多い中で発言するのが難しいという話を受けてチームに貢献できるためにどんな準備をするかを手伝ってくれたり、おすすめの自己啓発本をプレゼントしてくれたり、メンタル面でもサポートをしてくれたりと、本当に心強かったです。
自分に対する反省点はありますが、プロジェクトの内容やMAPを通じてできたすべての経験は私にとってとても良いものになりました。というわけで、Life-changingな経験がしたかったらぜひRossにきてください!