ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

Global MBA特別プログラム:Post-MBA Research Projectご紹介

 

こんにちは。GMBA Class of 2020のYoshiです。

 

ブログ初投稿ですので簡単に自己紹介致しますと、私は素材メーカーに10年間勤務し社費留学でRossに来ています。製造工場で生産企画・管理業務を経験したのち営業部へ移り、営業実務に加え企画業務や支店との調整業務等に従事しました。

 

今回は、受験時にはあまり焦点の当たりづらい部分ではありますがRossのなかでもGMBAだけが持つユニークで魅力あるオプションプログラム「Post-MBA Research Project」についてご紹介させて頂こうと思います。

 

 

COVID-19影響について(近況報告)

 

…が、その前にCOVID-19の影響でRossやミシガン大学全体、そしてAnn Arborでの生活がどのような状況になっているのか知っていただきたく少しだけ触れさせていただきますね。

 

今年の3月中旬、ミシガン大学全体で冬学期後期(Winter B)を開始したその翌週から当学期間の全リモート授業化が決定しました。

 

教授や大学スタッフの尽力により、非常にスムーズにZoomなどのWeb会議ツールを通じたライブ形式の講義(一部録画によるオンライン受講)へ切り替わった際には、学校で対面式の授業を受けられず残念ではあったものの、大学側の学生に学ばせる強い姿勢を感じられミシガン大学の底力を見ました。

 

私見ですがこうした大学側の早期対応のお陰で大学内の感染者急増を抑えられているのだろうと思っています。(学生の感染者数は公表されていませんので地方ニュースや周囲の情報から私がそう感じているだけですが)

 

その後ミシガン州としてStay-at-home命令が出され、学校側も州の決定に沿う形で今もリモート授業が続いています。少なくとも夏学期終了の8月末まではこの体制が続きます。多くの新入生がやってくる9月からの秋学期に通学が可能となるかは未だ見通しが立っていない状況です。

 

一方Ann Arborでの生活について。こちらも個人の視点ではありますが、3月中旬頃と比べると各スーパーマーケットの生活用品や衛生用品の在庫不足も少しずつ解消しつつあり、先々の心配は薄くなってきました。

 

ただ当たり前ですが街の活気は失われたままで、Social Distanceをスーパーでも散歩中でも気にしながら過ごさなければならない心地悪さは続いています。5月初旬にしてようやく冬の残寒も消え春らしい陽気が訪れてきたのですが…(まだ桜も咲いています)

 

このような状況のなか、先日5月1日にはRoss全体の卒業式がZoomでリモート開催されました。GMBA Class of 2020の本当の卒業はMAP終了後の7月ですがGMBA事務局主催の卒業イベントが個別に催されました。クラスメイトや事務局スタッフの明るく晴れやかな表情を画面越しに見ることができ、気持ちが少し楽になりました。

 

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GMBA Class of 2020 卒業式イベント(Zoom)

 

Post-MBA Research Project紹介

 

さて、すでに長くなってしまいましたがここからが本題です(笑)Post-MBA Research Project (以下Post-MBA)の内容は、GMBA用のパンフレットや大学Webサイトにも記載されていますがその内容については皆さまどの程度ご存じでしょうか?

 

GMBAの魅力を「16か月の短期間で集中的に2年分(Full-Time)の学びを得ることが出来る」プログラムと捉えている方からすると、受験の段階ではあまりPost-MBAに関心を持っていないかもしれません。GMBAに興味を持たれている方でも、Post-MBAについては読み流している方もいるのではないかと思います。

 

一方Class of 2020では過去最多の12人(38人中)がPost-MBAに参加する予定です。うち日本からの留学生は私含め5人(11人中)が参加します。3人に1人がPost-MBAへの参加を選択していることを考えると、多くの現役GMBA生がPost-MBAに興味を持っていることが分かって頂けるのではないでしょうか。

 

私は「実はPost-MBAもGMBAの大きな魅力の1つである」ことを皆さんに知ってもらいたいと思い今回のブログのテーマとしました。

  

Post-MBAとは

 

Post-MBAは数あるMBAプログラムのなかでもとてもユニークな制度です。その名の通りですが、MBA卒業後も研究者としてRossに残り、自分自身のプロジェクトを行うことが出来る制度です。またRossではGMBAの学生のみPost-MBAを選択することができます。

 

「アドバイザー(Ross教授)の指導の下、所属企業が直面する課題についてRossで得た知識を応用しながら研究し論文を作成する」ことが、学校側が設定する本制度の目的です。期間は7週間または14週間のどちらかを選択します。

 

なお上記概要はRossのWebサイトでも確認できます。

  

Post-MBAの魅力

 

次に私が感じるPost-MBAの魅力を紹介します。

 

第1に、研究テーマとアドバイザーを自分で自由に設定可能なこと。自身のフィールドに関する研究を行うことでRossでの学びと職場をリンクさせ、職場に即した形で効果的な知識定着が可能だと思います。

 

実際には、研究テーマをまず考えたのち、その研究に適した教授に自らアプローチしてアドバイザーを見つけます。そしてそのアドバイザーおよびGMBA事務局に研究テーマの許可を得ることでようやくプロジェクトのゴーサインが出ることになります。

 

ちなみに私は、Rossで学んだStrategy, Finance, Marketing等に関する知識やフレームを活用し、所属する事業部の現状課題に対して、企画戦略(特に戦略的アライアンス)における今後の方向性を探ることを研究テーマとする予定です。

  

第2の魅力は、研究期間中も大学施設が活用できること。例えばRossの図書館では学生に情報リソースとして複数のリサーチ企業等のアカウントを付与しているのですが、こうした大学のソフト的な支援ツールを活用して企業や業界研究を行うことができます。

 

また他方では、Post-MBA期間中に授業の聴講も可能です。MBA在学中に受講できなかった教授の講義やもう一度復習したい授業を(もちろん教授の許可が得られれば)聴講することができます。

  

第3の魅力は、MBA卒業後から研究開始までの間に時間的余裕が持て、且つ研究スケジュールが自由に設計できること。過去のGMBAのスケジュールでは、7月初旬にMBA卒業後、8月下旬~9月初旬がPost-MBAの開始時期ですので、その間は夏季休暇期間ということになります。GMBAプログラムは2年制プログラムをぎゅっと凝縮したプログラムであり、Full-Timeでは休暇期間となる5~8月中旬も授業を行うことになります。(授業と授業の合間やアジアセッション中の移動に合わせた連休はありますが)そのためPost-MBAの前に学んだことを総復習し、家族と楽しく過ごせる期間が持てるのは、私にとってはとても魅力的です。

 

別の考え方をすると、Full-Timeの学生のほとんどは休暇中にインターン等の就活を集中的に行っていますがGMBAはそれを行う期間が十分にありません。そのため、(社費生中心のプログラムのためニーズは多くはありませんが)Post-MBA前の休暇期間にインターンや就活を続けることも可能です。

  

最後は、Post-MBAを行っても24カ月以内にプログラムが終了すること。GMBAは、Pre-MBAと10週間のPost-MBAを受けても22カ月+αの留学期間です。私の所属企業は留学期間を最長24カ月(語学プログラム等含む)と定めています。もちろん企業の規則によるでしょうが社費留学予定の方で企業に「24カ月」の留学期間制約があるようでしたら、(語学・)MBA・研究を24カ月以内に完結できることは嬉しいことだと思います。

 

もちろん短期間で卒業できるメリットの方が大きいと考える方もいると思います。このように考えると、GMBAはPost-MBAがオプションとして選べるからこそ双方のニーズに応えることのできる魅力的なプログラムだと言えるのではないでしょうか。

  

Post-MBA申請の手順

 

最後に、どのようにPost-MBAを申請するのかという点について簡単に紹介します。パンフレットやWebサイトにもこの点の詳しい情報は記載されていないと思います。

 

実は、GMBAプログラムの参加時にPost-MBAを申請する必要はありません。入学して約1年後―Class of 2020の場合は2020年の3月上旬―に、研究テーマやアドバイザーを含めた申請書類を提出することになります。そのため、Post-MBAに最終的に参加するか否かを判断する時間的余裕はたっぷりありますので、申請方法について受験中に気にする必要はありません。

 

一方、社費生の場合、企業側に対してはいつ卒業して帰国するかを伝える必要があると思いますので、Post-MBAに興味を持たれている方は、Post-MBAを視野にいれた帰国スケジュールを提出する必要があるかと思います。

 

もちろん、もともと参加するつもりが無く途中に考えが変わり、スポンサー企業を説得してPost-MBAに参加した学生もいますので、それぞれの事情次第でスケジュール感は変化すると思います。

 

 

 

「16か月の短期間で集中的に2年分の学びを得ることが出来るプログラム」だからこそPost-MBAが活きる、GMBAならではの魅力あるプログラムのご紹介でした。

 

最後まで読んでいただきどうもありがとうございます!

 

 Yoshi