こんにちは、Nです。
ミシガン大学では課外活動として色々な団体が主催するケースコンペやピッチコンペがあるのですが、今回はその中で、Michigan Ross Business+ Techという団体が主催するFintech Challengeというピッチコンペに参加しました。紆余曲折ありつつもなんと優勝することができましたので、コンペの様子をレポートできればと思います。
Fintech Challenge概要
- 目的: 未来のリーダーにフィンテック業界の奥深さと可能性を体験させる。
- 参加資格: 学生なら誰でも参加可能(チーム構成:4-6人、合計32チーム)
- 主な課題:
- フィンテック業界の現状を理解
- 革新的な解決策を考案
- 審査員にピッチ
- 期間: 3週間。
- 褒賞:1位$5000、2位$3000、3位$2000
- プログラム内容:
- 実際の業界問題に取り組み、解決策を探る。
- 業界の専門家や過去の参加者とのネットワーキング。
- 対象者: フィンテックに関する事前知識や経験は不問。
- 詳細:https://businesstech.bus.umich.edu/fintech-challenge/
実はノリで参加!?
当初は特に参加するつもりもなかったのですが、参加締切前日に、卒業後にファインナンス分野に就職予定のアメリカ人の友人から参加しないかと打診があり、フィンテックを知るいい機会かなと思い、2人でメンバー集めを始めました。締切当日に2人を追加リクルートし4人チーム結成、その後、キックオフイベントで2人のインド人が合流し、6人チームで走り出しました。
当初、チーム結成した4人はフィンテックバックグラウンドなしのため、本大会への参加を機に「何かしら学びや経験を得るものがあるといいよね」、あと、「基本的にチルでいこうよ」、みたいな軽い動機で実は参加していました。キックオフ後にチーム合流したインド人2人はファイナンスのバックグラウンドもあり、そこから少しまじめに入賞を目指してみようかといった感じでした。
締切はいつも遅れ、劣等チーム?
本プログラムは期間が3週間あり、マイルストーンが細かく設定されており、どういうスケジュール感で進めばいいのか指針が出され、またマイルストーンごとに成果物を提出することが奨励されてました。
大きく分けると、1週目はアイディエーション、2週目はビジネスモデル策定とピッチブックの作成、3週目は予選、フィードバック、本選といった流れでした。プレゼンも含めての3週間なので、準備期間は2週間強といったところです。
我々のチームは第1ステップのビジネスアイデア創造の部分で大苦戦し、要因はLack of impactやLack of feasibilityなど様々ですが、アイデアを出してはボツ、出してはボツを繰り返し、予選審査にむけてのプレゼン提出締切の2日前に差し迫ってもまだビジネスアイデアが定まっておらず、パワポは1枚も作成できていない、といった状況でした。個人的には半ば諦めていたのですが、最終的にはアイデアをひとつに絞り、「とりあえず出して、予選を参加してみようよ」となり、急ピッチで締切前日に概要を固め、ピッチデックを突貫で作成し締切時間5分前に資料提出をしました。
そんな経緯もあり、かつ、30チーム中上位5チームしか残れないということもあり、予選通過はあまり期待もしていなかったのですが、意外な事に審査員の反応も良く、なんと蓋を空けてみると32チーム中の上位5位の本選に残ってしまったという感じでした。
肝心のビジネスアイデア
さて、我々のアイデアですが、自国でゴールドカードなどの高いグレードのクレカを日々利用している人が、渡米後も、自国の高いクレジットステータスを引継ぎ、アメリカでの生活を始めてすぐにグレードの高いクレジットカードを利用できるようにする、というアイデアでした。
というのもアメリカでクレジットカードを作るには、与信(クレジット)を証明するためにクレジットスコアなるものが必要なのですが、そのスコアを築くには更にSSN(Social Security Number)なるものが必要でこちらはアメリカ人であれば生まれたときに付与されるのですが、国外の人はアメリカで働かないと得られません。仮に首尾よく、アメリカに入国後アルバイトなどを始め、SSNを申請、受領しても、自国でこれまで築き上げてきたクレジットヒストリーは加味されずに、渡米後から新たに1からクレジットを築く必要があり、グレードの高いクレジットカード審査を通過するには渡米後から最短でも、十分なクレジットヒストリーを築くために半年程度待たないといけないという課題があります。
そこで、このジレンマを解決するために、自国のクレジットヒストリーをアメリカでの与信評価に必要なクレジットスコアという数値に換算してあげるサービスを提供することにより、一般消費者にとっては、自分の本来のステータスにあったクレジットカードを渡米後すぐに申請・利用できるというメリットがあり、クレジット会社にとっては、本来、与信があるにもかかわらず、SSNおよび米国クレジットスコアがないという理由で今までリーチできていない比較的高所得な外国人に早期にサービスを提供、囲い込みができるというメリットがあります。
パブリックスピーチのいい経験ができました
上位5チームに勝ち残ってから、その翌週の頭にRobertson Auditorium という講堂でVC審査員の前で10分プレゼン、5分Q&Aを行うことになりました。まさか、予算通過するとは思ってもいなかったので、その後は急いでプログラムのメンターにアポをとり、ピッチのブラッシュアップのためのアイデアをフィードバックをもらったり、プレゼンのスピーチの練習に時間を費やしました。
上位5チームはどこもプレゼンが素晴らしく、まさか自分たちのチームが優勝できるとは思いもしませんでしたが、ビジネスアイデアのインパクトの大きさと大半が留学生からなるチームメンバー自身の経験に基づくビジネスケースの説得力の強さが勝因だったのかなと思います。また、大きな会場での英語でのプレゼンテーションは緊張が伴いましたが、中々得難いいい経験になりました。
まさか優勝できるとは思っていなかったので、そこは大変うれしくかつ誇らしく思いますが、そうでなくてもこの3週間はチームで色々話しながら準備できた過程もとても有意義で、チームメンバーとの絆も深めることができました!
以下のLinkedinのリンク先にFintech Challengeの決勝の様子がありますので、ぜひご覧になってみてください~
ではでは、