ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

ケースコンペティション Business+Techで得られた4つの学び

こんにちは。Class of 2027のSです。

University of Michiganでは、さまざまな団体がケースコンペティションやピッチコンペティションを開催しています。

私はMBA一年目に、Michigan RossのBusiness+Techが主催するコンペティションに複数参加しました。そこで今回は、Business+Techのコンペティションがどのようなものなのか、MBA生が参加することでどのようなメリットを得られるのか、そして予選を通過してファイナリストや入賞を目指すために何が求められるのかを、私自身の経験をもとに紹介したいと思います。

Business+Techとは

Business+Tech(ビジネス・プラス・テック)は、ビジネスとテクノロジーの交差領域を学ぶためにMichigan Rossが運営しているイニシアチブです。

学部生や大学院生が、テクノロジーによってビジネスがどのように変化しているのかを理解し、実際の仕事で活用できる知識やスキルを身につけるため、コンペティション、ワークショップ、カンファレンスなどを幅広く開催しています。

詳細については、以下の公式ウェブサイトをご参照ください。

Business+Tech公式ウェブサイト

Business+Techでは、AIをテーマにしたケースコンペティション、データ分析を行うDatathon、短期間でアイデアを形にするハッカソン形式のイベントなどが開催されています。

大会の名称や形式は年度によって変わりますが、共通しているのは、テクノロジーそのものを学ぶだけではなく、テクノロジーを使ってビジネス上の問題をどのように解決するかを考える点です。

私も一年目に複数のコンペティションに参加し、ファイナルでのプレゼンテーションや入賞を経験しました。

テック業界出身でなくても参加できる

AI HackathonやDatathonと聞くと、プログラミングやデータ分析の経験が豊富な学生向けのイベントに見えるかもしれません。

しかし、実際には、テクノロジー業界の出身者でなくても十分に参加できます。

大会前には、AIツールやデータ分析手法などを学ぶためのワークショップが用意されることがあります。チームの中でも、全員がプログラミングを担当するわけではありません。

例えば、以下のような役割が必要になります。

  • 問題を構造化する
  • 顧客や市場について考える
  • ビジネスモデルを設計する
  • データから得られた示唆を整理する
  • プレゼンテーションのストーリーを作る
  • スライドを作成する
  • 最終発表を担当する

そのため、マーケティング、ファイナンス、オペレーション、ストラテジーなど、MBAで学ぶさまざまな知識を生かすことができます。

むしろ、技術に詳しい人だけでチームを構成するよりも、異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まった方が、幅広い視点から提案を作れる場合もあります。

チームの作り方もMBA生活の一部

コンペティションには、基本的に複数人のチームで参加します。大会によって異なりますが、私が参加したものでは、主に4~6人程度でチームを構成しました。

一人で参加したい場合や、数人しかメンバーが集まっていない場合には、主催者が提供するチーム形成の機会やマッチングの仕組みを利用できることもあります。

ただし、私は可能であれば、自分から友人に声をかけてチームを作ることをおすすめします。

私の場合は、同じセクションの友人を中心に声をかけ、日本、インド、ブラジル、アメリカ出身の4人で、最初のチームを作りました。AIに関心を持つ友人と話をする中で、「一緒に出てみよう」と声をかけたことが始まりでした。

チーム作りそのものが、普段の授業だけでは分からない友人の関心、得意分野、仕事の進め方を知る機会になります。

ケースコンペティションへの参加は、単に大会に出場することではなく、MBA生活の中で新しい仲間と一つのプロジェクトを始めることでもあります。

コンペティションの一般的な流れ

大会によって違いはありますが、私が参加したコンペティションは、おおむね以下のような流れで進みました。

1.チームを登録する

まず、必要な人数を集めてチームを登録します。

2.課題が発表される

登録後、AIやデータ、特定企業のビジネス課題などに関するプロンプトが提示されます。

課題を受け取ってから提出までの期間は、大会によって数日から数週間程度です。24時間限定のハッカソンのように、非常に短い時間で提案を作る大会もあります。

3.予選資料を提出する

最初のラウンドでは、録画したプレゼンテーション、スライド、またはメモなどを提出します。

Business+Techのコンペティションでは、評価項目を示すルーブリックが提供されることが多く、チームはその内容を確認しながら提案を作ります。

ここで難しいのは、ルーブリックのすべての項目を詳しく説明しようとすると、時間やページ数が足りなくなることです。

そのため、単にすべての質問に回答するだけではなく、重要なポイントを選び、短い時間で分かりやすく伝えることが必要になります。

私は、これが予選を通過するうえで特に重要なポイントの一つだと感じました。

4.ファイナルで対面発表を行う

私が参加した大会では、全体で数十チームが参加し、そのうち上位数チームがファイナリストとして選ばれました。

予選通過後は、審査員からのフィードバックを受け、提案やスライドを改善したうえで、対面の最終プレゼンテーションに臨みます。

小規模な会場で開催される大会もあれば、Datathonのようにオーディトリアムで発表する大会もあります。

大きな会場で審査員や観客を前に発表するのは緊張しますが、授業のプレゼンテーションとは異なる緊張感の中で、自分たちの提案を伝える貴重な経験になります。

ケースコンペティションに参加する4つのメリット

1.チームメンバーと深い関係を作れる

私が感じた最大のメリットは、チームメンバーと非常に密度の高い関係を作れることです。

授業でもグループ課題やケースディスカッションはあります。しかし、授業の宿題の場合は、メンバー全員がそのテーマに強い関心を持っているとは限りません。

ほかの授業や就職活動との兼ね合いもあり、「期限までに課題を終わらせること」が中心になってしまうこともあります。

一方、ケースコンペティションには、そのテーマに関心を持ち、自分から参加したいと思った学生が集まります。そのため、メンバー間でモチベーションの水準がそろいやすく、より踏み込んだ議論ができます。

入賞すればレジュメにも記載できるため、就職活動をしている学生にとっては、結果を出すことへの明確なインセンティブもあります。

限られた時間の中で、

「このアイデアでは弱いのではないか」

「顧客にとって本当に価値があるのか」

「このデータから、そこまで言い切れるのか」

といった議論を何度も重ねます。

勝った場合はもちろん、負けた場合でも、一緒に努力したこと自体が良い思い出になります。実際、一度一緒に出場したメンバーとは、「次もこのチームで参加しよう」「今度こそ入賞しよう」という話になることが多くありました。

ケースコンペティションは、特にMBA一年目の早い時期に、友人を作り、自分のコミュニティを広げる方法としてもおすすめできます。

2.MBAで学んだ内容を実践できる

二つ目のメリットは、授業で学んだ知識を、実際のビジネス課題に応用できることです。

MBAでは、ストラテジー、マーケティング、ファイナンス、オペレーションなど、さまざまなフレームワークを学びます。

しかし、授業でフレームワークを理解することと、曖昧なビジネス課題に対して実際に使うことは異なります。

ケースコンペティションでは、限られた情報の中から問題を定義し、必要な分析を行い、実行可能な提案にまとめなければなりません。

さらに、優れた分析をするだけでは不十分です。

  • なぜその問題を優先するのか
  • 誰にどのような価値を提供するのか
  • どのように実行するのか
  • どのようなリスクがあるのか
  • その提案によって何が変わるのか

といった点を、一つのストーリーとして説明する必要があります。

MBAで学んだ知識を、実際のビジネス上の意思決定につなげる練習ができることは、ケースコンペティションの大きな魅力だと思います。

3.実践的な英語力を伸ばせる

三つ目は、英語力の向上です。

私は帰国子女ではなく、留学開始時には英語でのディスカッションやプレゼンテーションにかなり不安を抱えていました。

ケースコンペティションでは、自分の意見を説明するだけでなく、ほかのメンバーの意見に賛成したり、反対したり、質問したりしながら、チームとして一つの結論を作る必要があります。

最初は、自分の考えを英語で素早く伝えることに難しさを感じました。

しかし、友人同士の比較的安心できる環境で、何度も議論や練習を重ねることで、徐々に対等にディスカッションできる感覚が身についてきました。

完成した原稿を暗記して話すだけではなく、質問に答えたり、相手の意見を受けて自分の考えを修正したりするため、英語を使ってチームに貢献する力を実践的に鍛えることができます。

4.クラスの中で自分の関心や強みを知ってもらえる

四つ目は、クラスの中で、自分が何に関心を持っているのかを周囲に知ってもらえることです。

MBAには多くの学生がいるため、最初から全員に顔と名前を覚えてもらえるわけではありません。

しかし、コンペティションに参加していると、

「AIのコンペティションに出ていた人だよね」

「最近、Datathonの準備をしていたよね」

「ケースコンペティションで入賞していたよね」

と声をかけてもらうことが増えました。

これは、単に有名になるという意味ではありません。

自分の関心分野や得意なことを、周囲に認識してもらえるようになるということです。

そこから新しいプロジェクトに誘われたり、同じテーマに関心を持つ学生とつながったりすることもあります。

人数の多いMBAプログラムの中で、自分なりの立ち位置を作るきっかけとしても、ケースコンペティションへの参加は有効だと思います。

デメリットは、想像以上に時間がかかること

もちろん、メリットだけではありません。

最大のデメリットは、準備にかなりの時間がかかることです。

予選で終了するつもりでも、通過すればファイナルに向けてもう一度準備する必要があります。

フィードバックを踏まえて分析をやり直し、ストーリーを修正し、スライドを作り直し、何度も発表練習を行います。

特にWinter Aは、授業、就職活動、クラブ活動などが重なり、非常に忙しくなりやすい時期です。

私自身、コンペティションの準備を優先するあまり、授業の予習が十分にできなかったり、授業への参加に影響が出たりしたことがありました。

MBAの学びを深めるために参加したコンペティションが、授業の妨げになってしまっては本末転倒です。

参加する際には、

  • 課題の提出期限
  • ファイナルの日程
  • 授業や試験の予定
  • 就職活動のスケジュール
  • チームメンバーが確保できる時間

を事前に確認することをおすすめします。

また、すべてのコンペティションに出る必要はありません。自分が本当に関心を持てるテーマを選び、無理のない範囲で参加することが重要です。

 

ケースコンペティションは、MBAに入学した後に参加できるイベントの一つで面接やEssayなどにも使いやすいと思うので、是非参考にしてみてください。

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