ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

(課外活動) Action-Based Learningのコンサルプロジェクト紹介

こんにちは。FTMBA2のTです。RossがAction-Based Learningを売りにしていることは受験生の方もご存知かと思います。実際、看板プログラムであるMAP (Multidisciplinary Action Project)以外にも、授業以外での課外活動を通じて豊富な機会があることを実感しております。(むしろ、課外活動のプロジェクトの方が自らコミットした学生のみが参加しており、メンバーのモチベーションも高いので、チームのアウトプットも大きく、授業よりも学べる経験の質が高いと個人的に感じます。) 今回は私が2年生になって経験した内のいくつかをご紹介したいと思います。

 

1. Data Analytic Consulting Club (DACC)

地元の企業向けのデータ分析に特化したコンサルプロジェクトを経験できるData Analytic Consulting Club (DACC)というクラブです。コンサルプロジェクト以外にもPython, Tableau, SQLといったツールの使い方を学べるEducation Sessionを主催してます。

まずDACCよりプロジェクトの応募案内があり、参加希望者はExcelでできる簡単なデータ分析(トレンド推移・比較)をPPTにサマリーしたものを提出し、選考を経て、プロジェクトメンバーが決まりました。私が参加したのはRossのあるAnn Arborに本社があるDomino's Pizzaがクライアントで、テーマは新規出店すべきエリアの検討で、約3カ月のプロジェクトでした。クライアントからの既存店舗の情報(売上、対象地域のDemographic Info、ピザ宅配比率等)を基に成功要因を洗い出し、提案に繋げました。ちょうどTO640 (Big Data Management: Tools and Techniques)という授業で学んだばかりのTableauを実際のビジネスデータを題材に訓練する良い機会になりました。


2. Entrepreneur and Venture Club (EVC)

起業やVC就職を目指す学生向けのEntrepreneur and Venture Club (EVC)というプロフェッショナルクラブで、VCを招いた座談会や就職情報の共有等を行ってますが、今年からVenture Fellowship ProgramというスタートアップやVC向け短期コンサルプロジェクトを開始し、内、2つに参加しました。倍率は不明ですが、志望動機やどうAdd-valueできるか?等のショートエッセイ+Resumeを基に選考がありました。

2-1. 地元ベンチャーキャピタル向けプロジェクト 

地元ミシガンのベンチャーキャピタルが新しいファンドを組成し、LP(Limited Partner)へ提案しようとしており、その提案内容を考えるという2カ月のプロジェクトでした。その内、私はファンドのポートフォリオ全体のリターンモデルを担当しました。Student Investment Fundでスタートアップのデューデリジェンスの経験はありましたが、VCのFund Raisingについてはまったく知見が無かったので、VCに興味を持った1年生の頃に読んだThe Business of Venture Capitalで使えそうな箇所を読み返しながらモデルを組み、現役Venture Capitalistからフィードバックをもらう、という座学を実践で活かす貴重な経験になりました。

 

2-2. IoTスタートアップ向けプロジェクト 

IoTセンサーで収集したデータを分析・可視化するBtoB SaaSスタートアップがクライアントで、その成長戦略を検討するという2カ月のプロジェクトでした。実は選考で落とされたのですが、メンバーが一人Kickoff後にドロップしたので、2-1のVC向けプロジェクトをやっていた自分にチャンスが回ってきました。"成長戦略"というとふわっとしてますが、起業家との議論の結果、まだ顧客も少ないので、効率的な顧客獲得の為にはSales & Marketingをどう改善したらよいか?というスコープに落とし込み、経営チームや既存顧客へのインタビューを通じて、アクションプランを立案しました。まったく知見の無かったWebマーケティングをWebマーケコンサルをやっている学生時代の友人にヒアリングして教えてもらって自分なりのバリューを出したり、コア科目のマーケティングで学んだコンセプト(Customer Lifetime Value, Customer Acquisition Cost等)を応用したりと、こちらも座学での知識を実践で血肉化する良い経験となりました。

 

まとめ

Rossには課外活動でのAction-Based Learningの機会が豊富にあり、授業以外での学びが非常に大きいので、入学されたらぜひ色んなプロジェクトに挑戦してみてください。会社派遣で留学される方は有給インターンできないケースが多くあるかと思いますので、こうした無給のコンサルプロジェクトはオススメです。

個人的にはチームメンバーからの学びも多く、特にDeloitte出身のチームメンバー(Rossは学内でもよくネタにされるぐらい、なぜかDeloitte出身者が多いです笑)からコンサルプロジェクトの進め方やスライド作成方法などを学ぶことができ、卒業後コンサル業界を志望する私には非常に有益でした。

(但し、F-1ビザでの留学生は1年生の内にコンサルプロジェクトに従事するとCPT取得に影響する恐れあり、というアナウンスが昨年よりProgram Officeから出されたので、2年生になってからやるか、1年生の内にやる場合は最新状況を確認した方がよいです。)