ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

MBA アメリカ就職活動-Summer Internship編

こんにちは! Full-time MBA Class of 2021のShoheiです。自分の名前を英語表記にするのってなぜこんなにもきついのでしょうか。

 

さて、本日はバレンタインデーということで今回はMBA生にとってのラヴロマンス、すなわち就職活動について書きたいと思います。

 

私がMBA1としての生活の中で一番フォーカスしてきたのはアメリカ就活です。このテーマに対しての需要はそれほど多くないとは思いますが、かつての自分のようにビジネス・テクノロジーの最先端であるアメリカで就活したい!と思っているMBA受験生、もしくはMBAに行くかまだ考えている段階の方、そのような方に向けて今回は自分の体験・感想をもとに執筆したいと思います。MBA生のアメリカ就活の記事はいくつかあると思いますが、実際に何社くらいに応募し何社に内定をもらったのかなどの情報はこれまで見つけることはできなかったため、今回は自分の結果をシェアすることで役に立てればと思います。

 

ちなみにRoss在校生ウェブサイトにClass of 2016の方が自身の経験をもとにアメリカ就活についてまとめている記事があります。私自身これらのアドバイスに非常に助けられたため、まだご覧になっていない方はぜひ先に一読ください。(アメリカ就活についての一般的な情報についてはその記事、他校の日本人MBA生のブログ、英語のMBA生用就活本があるので本記事において選考プロセスや就活用語の細かい解説は省かせていただきます。)

Full-Time MBA>Academic>Others>Extracurricular>Career>Career in US

 

なお私は前世では日系メーカーの工場の経理部門に5年間勤務していました。決して世界的に有名な企業ではなく、MBA生としては割と弱いバックグラウンドとなると思いますので、「そんなやつでもアメリカでIntern獲得できるんだな、ふはっ」くらいに思ってもらえれば嬉しいです。なお英語力に関しては幼少期に二年半アメリカに住んでいたこともあるため、一般的なInternational生よりは有利であったと思います。

 

まず、私はCorporate Finance部門を中心に就職活動を行いました。他の人に比べて特別なことはしませんでしたが、学校やProfessional Clubの用意するイベントには欠かさず参加し、王道就活ルートをひたすら突き進んでいきました(そのせいでいつもスーツ着ているねと周りから言われましたが)。

 

Rossのリクルーティングは色々な人がサポートしてくれるため、すでに作られている流れに乗るだけでスムーズに就活できることは非常に利点だと感じました。ただし、学校が始まる前までにどのような業界・職種を目指すのかが決まっていないとこの流れにうまく乗ることができず、自力でいろいろとやらなければいけないことが増えていきますので注意が必要です。以下がRossの主な就活サポートになります。

 

・CDO:就職支援課。企業説明会・Coffee Chatを開いてくれたり、過去のデータなど役立つリソースを提供してくれたりする。どの企業がInternational生を雇ってくれるかなどの情報・リソースの提供もある。

・FACT Group:週一ペースで少人数のミーティングを行い、自分の興味ある分野のMBA2がメンターとなり今の時期に何をしないといけないかなどを指導してもらえる。

・Peer Coach:MBA2からResume・Cover Letterチェック、Mock Interview、Case Interview等のサポートを受けることができる。

・Professional Club:毎週日曜日のクラブミーティングのEducation Sessionで特定のIndustryの専門知識を深めたり、一般的なアドバイスを成功したMBA2からもらったりすることができる。またFall Breakには各地にTrekに行き色々な企業とネットワーキングすることができる。

 

というようにRossならではの幅広いサポート体制には非常に助けられました。特にMBA2は本当にMBA1の力になってくれます。また、この他にもRossコミュニティーの”Pay Forward”のカルチャーを利用し、Peer Coach以外のMBA2やAlumniに連絡をして20-30分チャットする機会を設けてもらうなどすることも多くありました。私の就職活動の流れを簡単にまとめると次のようになります。

 

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Summer Intern就活流れ


 

さて、そのように就活して実際にApplyした結果については以下のようになります。Applyした企業はInternational生をスポンサーすると言っている企業か、Financeのファンクションで2019年にH1Bの申請実績の多い企業になります。なお、ネットワーキングは回数だけが重要なわけではなくどれだけいい印象を残せたかというQualityが大切になりますので、ここではあくまで回数は目安として見てください。実際のところネットワーキングを5回程度していない場合でもいい関係を持てたと感じた会社には◎をつけています。

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Result

 

結果としては22社に応募し、9社からインタビューをもらえ、4社から最終面接に呼んでもらい、4社から内定をもらうことができました。私の場合、ポジティブに働いた点としては1.Pre-MBAとPost-MBAの仕事のスキルの一致、2.比較的Competitiveではないポジション、という2点があったと思います(あと景気は割と良い状態です)。一方でネガティブに働いた点としては1.International生であること、2.魅力的なバックグラウンドではないこと、の2点になります。もしも上の数値をベンチマークとして使用する場合には自分のスキル・バックグラウンドとターゲットの求めるバックグラウンド・Competitiveさを理解してこのデータと比較してもらえればイメージをつかみやすいと思います。なお最終面接に呼ばれれば内定もらえるように見えますが、ただの偶然です。あくまで肌感覚ですが、First round interview、Final round interviewともに通過率は3~5割程度だと思います。このデータから主に2点のことが読み取れると思います。

 

・①と②の区分の会社をターゲット企業とするとよい:①と②の企業に関してはRossからどの程度とりたいという採用枠があると思うので、インタビューに呼ばれる確率、オファーをもらえる確率が高くなります。一方で③の企業は他校がコアスクールになっており、応募しても残りの枠をコアスクール外の大勢の生徒で競うことになります。元コンサル・IBなど比較的強いバックグラウンドがあればインタビューに行ける確率は上がると思いますが、International生であるというハンデはやはりあるので、このカテゴリの企業でどうしても行きたい企業がある場合にはネットワーキングをして誰か自分のファンになってくれるような人を作り、その人から人事にプッシュしてもらうことがカギになると思います。もしくはあらかじめ行きたい企業のコアスクールがどこであるかをチェックし、その学校に行くことが最善だと思います。

 

・ネットワーキングは大切:誰もが口を酸っぱくして言っていることですが、やはりネットワーキングは大事です。結果を見るとネットワーキングをした順にInterview獲得の確率が上がっているということが見て取れます。もしも私のように自身のバックグラウンドが弱いと感じている場合には積極的にネットワーキングすることが本当に大切になります。そして、そのためには早めからターゲット業界もしくは職種を決め、続いてターゲット企業を決める必要があります。

 

以上のように、よく言われている上記2点がやはり就活のキーになってくることは間違いないです。

ではこの2点だけで就活が成功するのかというとそんなことはないと思います。正直なところ運要素もかなり強いとも感じました。InterviewへのInviteは上述の通りネットワーキングの影響が強いので自分の感触と結果は一致しやすいのですが、その後First roundからFinal roundに進むには何が大事なのか未だにわからないです。会心の出来だと思っていたInterviewでRejectされたり、これダメだったなというInterviewで次のステップに行けたりとよく分からないケースが少なからずあります。さて、それでは何が言いたいかというと、前述の2点はInterview数を増やすうえで大事ですが、最終的にはこちらのコントロールできない運要素により自分の運命を左右されます。私はそのことを理解しておらず、「ネットワーキングしたしInterviewも大丈夫だ!」と信じていたため、Rejectされるたびに胃がキリキリ心臓がバクバクしたり、「アメリカ就活なんてやっぱり無理なんだ。。。」とベッドにうつ伏せになりながら鬱状態になったりあきらめそうになったりもしました。が、最終的にはきちんとコミットして現実的な戦略を練ってアメリカ就活すればRoss生であれば(そしてTop校のMBA生であれば)アメリカのInternを獲得することができるはずですので、ある会社のClosed listにのらなかった時、Interviewの次のステップに行けなかった時などでも過剰に落ち込まずに「運がなかっただけだな」と切り替えることが大切だと今更ながら思いました。私自身のバックグラウンドは前にも書いているように全然魅力的なものではありません。が、そんな私でもMichigan Ross MBAが扉を開いてくれたおかげで自分がずっと行きたいと思っていたテック企業でInternをすることができます。なので、アメリカ就職を志す方は就職活動中にどんな困難・苦痛・艱苦・諦念・挫折・惨痛・苦労・懊悩・憂悶・障礙・大腐・心労・銷魂・絶念があっても成功を信じ心を強く持ち続けて挑戦してもらえればと思います。

 

Go Blue!