ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

STEM MBAについて

こんにちは。Class of 2021のSYです。

元々の予定では現在白熱しているMarch Madness(大学バスケの甲子園版のようなもの)について書くことで、普段本ブログから発信しているアカデミック面や課外活動とはまた別の観点からMichigan大学の良さを伝えようと考えていました。ただ、昨晩Michiganがベスト8でUCLAに惜敗にしてしまったためMarch Madnessについて書くことが現在とてもとても苦痛になっております。おそらく執筆途中で胃潰瘍になることでしょう。

ですので今回は予定を変更し、RossでClass of 2021から適用されるSTEM DesignationのMBAについて紹介したいと思います。STEM Designationの有無は米国で継続的に働くうえで大切なことになりますので、もしもアメリカでの就職にご興味のある方は読んでいただければと思います。

 

STEM DesignationのMBAとは

STEM DesignationのMBAとはSTEM認定をされたMBAのことで、これまでComputer ScienceやEngineering専攻の学生が恩恵を受けてきた2年間のOPT Extensionを同様に適用することができるようになります(全部の職種に適用されるわけではないので、もっと正確に知りたい場合にはご自身でUSCISなどのサイトで調べてみることをお勧めします)。ビジネススクールによってSTEM Designation MBAの取得条件は異なっており、①そもそもないパターン、②特定の条件を満たせばSTEM Designationになるパターン、③自動的にSTEM Designationになるパターンの3種類があります。Michigan Rossの場合には②のパターンに該当しますが、③のように自動的にSTEM認定される学校もいくつかあるようです。例えばUCLAのSTEM Designationについて調べてみると、どうやら③の自動認可のパターンのようです。さすがですね。やはりそういったところでの差がバスケの点差につながってくるのでしょうね。

 

STEM MBAのメリット

アメリカ人以外がアメリカで働くためには通常就労ビザが必要ですが、F-1ビザの学生の場合はOPTという制度を利用することで卒業後の一定期間就労ビザなしで働くことができます。例えばSTEM Designation無しのMBAの場合、卒業後に認められるOPTの期間は1年までになり、その期間を超える場合にはH1-Bなどの就労ビザが必要になります。ただここで一つの問題があります。H1-Bビザは毎年85,000までしか発行しないという制限があるのですが、それに対して応募数は年によっては200,000件くらいあるため、誰がH1-Bを取得できるかは抽選で決まります。つまり、Michigan-UCLA戦のようにどんなに実力が勝っていようと運が悪ければ望んだ結果を得ることができません。OPT期間1年の場合には2回H1-Bビザ応募のチャンスがあるのですが、その2回ともで選ばれなかった場合にはOPTが切れてビザもないためアメリカで働くことができなくなります。その場合には会社をクビになる、もしくは1年以上アメリカ国外の拠点で働きL-1ビザ(会社内転勤ビザ)でアメリカに帰ってくるというように望まない事態が発生します。STEM DesignationのMBAがある場合には上述のようにOPTの期間が伸ばせるため、H1-B抽選に参加できる回数が増え当選できる可能性が高まるというメリットがあります。

 

Ross School of BusinessにおけるSTEM Designation取得の条件

次にRossにおいてどうすればSTEM認可をご紹介したいと思います。(詳しく知りたい場合にははこちらのウェブサイトをご覧ください。Full-Time MBA: STEM-Designated Specialization in Management Science | Michigan Ross (umich.edu)

簡単にまとめると、合計で14単位をSTEM指定された授業のリストから選択してとることが条件になっております。卒業に必要な単位は57単位、そのうちCore CourseはWaiveなしとした場合で約30単位。その残りのElective授業で取得必要な27単位のうち、約半分の14単位(約8クラス)をSTEM Designationのために使うのはとりたい授業を取れなくなるような気がする。。。私は当初そのように考えていたのですが、実際に指定されている授業のリストを見てみると、その選択肢の多さに驚き当初の不安はどこかに行ってしまいました。まずSTEM指定の授業のリストを見るとTOの授業が多いことにお気づきになると思います。MichiganでTOというとUCLA戦での14 Turn Overを脳裏に浮かべる方が多いと思いますがそのことではなく、Technology & Operationsの分野の授業になります。Technologyという名前を冠しているためここは予想通りでした。ただTO以外にも多くの選択肢があります。Accounting, Finance, Marketing, Business Law, Management & Organizations, そしてRoss以外のUofMの授業など多くの授業がSTEM認可を受けています。私自身も元々取りたかった授業をとっていただけで気づいたらSTEM MBAの条件を満たすことができていました。ですので、UCLAのように自動的にSTEM Designationになるということはないものの、幅広い選択肢の中から授業を取ることでSTEM MBAも取れるという点もRoss MBAの良い点であると思います。

 

以上のようにSTEM DesignationのMBAについて軽く紹介させていただきましたが、先述のようにアメリカ就職を目指されている方にとってOPT Extensionは大きな役割を果たすと思いますので、このような点も受験校選び・進学先選びにおいて考慮してみるのはいかがでしょうか。(現段階ではSTEM MBAがあることでInternational生が応募できる会社が増えたという話はあまり聞かないのですが、継続して会社で働き続ける上での助けになると思います。)

 

最後になりますが、H-1BビザやOPTの条件などは政権によって変わったりしますので、最新情報を知りたい場合にはUSCISのウェブサイトなどをご確認ください。また、もしかするとこの記事を読んでる中で誤った情報を見つけたと思うことがあるかもしれませんが、すべて緻密に計算されたエイプリルフールですのでご容赦ください。

 

それでは来年こそはFinal Fourに到達するぞという気持ちを込めて、

Go Blue!