皆さんこんにちは、Class of 2021のTUです。本日はRossで選択可能なData Analytics関係の授業についてご紹介したいと思います。
RossはComputer Science等で非常に有名な学校という訳ではありません。しかしデータに基づき意思決定をすることはビジネスの世界で一般的になっており、近年は所謂「ビッグデータ」を如何に分析して有益な知見を得るかが重要になっています。私も今後のビジネスでこれらの能力は必須と考え、複数の授業を選択しました。
MBAはSchool of Informationではないためプログラミングの習得自体に重きはおかれず、「データ分析をどのようにビジネス上の意思決定に適用するか」、「社内のデータサイエンティストと効果的に働くために必要な知識・能力は何か」というBusiness Analyticsに焦点が当てられます。当校のTO (Technology and Operations) Departmentは全米でも評価が高く、優秀な教授がそろっています（ある授業ではRossの教授からAmazonに引き抜かれ全米の物流の最適化を担当しているという方がゲストスピーカーとして講演してくれました）。
授業概要
以下ではData Analytics関連の授業で学生からの評価が高いものの一部を簡単にご紹介します。これ以外にも様々な授業が選択可能ですし、Extracurricular activitiesとしてData Analyticsに焦点を当てたクラブやイベントも開催されています。興味のある方は是非調べてみて下さい。
TO 502: Applied Business Statistics
コアクラスの一つで統計の授業です。バックグラウンドがあればwaveが可能です。統計理論の基礎から始まり、回帰分析モデルの作成・適用について学びます。Data Analyticsの領域に限らず統計の知識はビジネス全般に求められるため、バックグラウンドが全くない人でもキャッチアップできるようにデザインされています。
TO 567: Data Mining and Applied Multivariate Analysis
統計分析ソフトウエアのRを用いてロジスティック回帰分析、kNN、Decision Tree、Clustering、テキスト分析等の分析手法を学び、予測モデルを作成します。題材として例えばAirbnbの物件の価格予測といった実際のビジネス課題を用います。Rの使い方を学ぶというより、実際にモデルを作りながらデータ分析の利点とビジネスに活用する上での限界を学ぶことに重点がおかれます。
TO 618: Applied Business Analytics and Decisions
MBA生にとってエクセルはどの職場でも普遍的に使うことができ、十分な処理能力を持つ有用なソフトウエアであるという教授の信念の下、エクセルを用いたData Analytics手法について学びます。ビジネス課題（例：あるホテルの稼働データを用いた稼働率向上の提案）に対して学生がモデルを使って分析し、プレゼン資料を作り、授業内でプレゼンすることが求められます。アドインやBIを使えばエクセルでもSQLやTableauに近い処理ができることには驚かされました。
TO 640: Big Data Management: Tools and Techniques
Python、SQL、Tableauを総合的に用いて、データ分析の結果をテクニカルなバックグラウンドがない相手に分かりやすく伝える方法を学びます。他の授業と同様に、Action-based learningの精神で自ら手を動かしてモデル・レポートを作成します。最終課題ではパンデミックが経済・ビジネスに与えた影響というテーマで、Python・SQLを用いて取得したコロナ関連・経済関連データをTableau上のダッシュボードにまとめ、インサイトを分かりやすく伝えるというタスクに取り組みました。
MKT 630: Marketing Engineering
マーケティングはData Analyticsと相性の良い領域ですが（特にコンシューマー向け）、本科目ではCustomer Survey等の大規模な調査結果からデータ分析を用いて最適なSegmentation, Positioning等を行う方法について学びます。最終的にどのセグメントを狙い、どのようなポジショニングを取るかはマネジメントの判断ですが、その意思決定に必要な分析をする方法を習得することができます。
