ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

Rossの授業紹介!~Entrepreneurship編~

こんにちは。FTMBAプログラム2年生のKです。前回投稿に続き「おすすめの授業」について書きます。今回はEntrepreneurshipの領域からご紹介させていただきます。

 

過去に紹介した授業については以下にリンクを貼らせて頂きましたので、興味があればぜひ見てみてください。

Rossの授業紹介!~必修科目編(AccountingとFinanceを除く)~ - ミシガン大学MBA日本人ブログ

Rossの授業紹介!~Strategy編~ - ミシガン大学MBA日本人ブログ

Rossの授業紹介!~Finance編~ - ミシガン大学MBA日本人ブログ

Rossの授業紹介!〜Marketing編〜 - ミシガン大学MBA日本人ブログ

 

(1) ES605(MKT625)New Product and Innovation Management(S.Sriram教授)

この授業では、プロダクトの着想からローンチ手前(コンセプトテストの実施、Go To Market戦略の策定)までをAction Based Learningで体験する授業です。

この科目の基本的な流れは、先ず、フレームワークについて学び、これらの学びをグループワークで都度実践し、最終的にクラスでピッチコンテストを行います。大まかなイメージは以下の通りです:

  • プロダクトアイディアの発掘及び着想 (Opportunity Identification & Idea Generation)
    • Real Win Worth it?
    • 過去の失敗事例の理由検証(クラスディスカッション)
    • Task Unification
    • SCAMPER
  • コンセプトテスト (Testing & Forecasting)
    • 実際にサーベイを作成配布し、データを集計分析する
  • 市場投入戦略 (Go to Market)
    • クラスの前でピッチ

授業内容は、実際のイノベーション例に基づいたクラスディスカッションが行われ、サーベイの作成、集計とエンゲージメントが非常に求められますが、新しいプロダクトを作りたいと考えている人や、新しいプロダクトが作られる仕組みについて学びたい人にとっては刺激的な授業になると思います。S.Sriram教授は、学生の関与を促す非常にエンゲージングな授業を行うかつ、本気でプロダクトをローンチすることを考えている人も中にはいるので、クラスの参加率は高いです。

この授業を最大限に活用するためには、クラス開始前までに自分が解決したい問題やプロダクトのコンセプトをある程度考えておくことをお勧めします。

 

 (2) ES615 New Venture Creation(Jim Price教授)

この授業はビジネスをゼロから立ち上げるプロセスに焦点を当てており、プロダクト開発よりも事業としての拡大や成功させる方法に重点を置いています。従って、手前で紹介したプロダクトマーケットフィットを模索するES605と比べ、この授業は事業性及び成長戦略(市場のポテンシャル、チーム構成、ファイナンス、5か年の成長戦略など)の考え方を学ぶことに重きが置かれています。担当教員のPrice教授はシリアルアントレプレナーのバックグラウンドを持っています。

科目の流れは、個々の起業のアイディアを持ち寄り、面白いと思われるアイディアに基づいて4-6人のグループを組成し、事業計画(Pitch DeckやProforma Financials)を作り、最終的にピッチコンテストを行い、優勝者を決めます。授業中は、Launch Lensとうフレームワークを使った事業計画の作り方、投資家の選び方、投資家が気にするであろうポイント、Minimal Viable Productの考え方など、起業に有効なフレームワークや注意点について学びます。また、Jim Price教授との定期的なオフィスアワーがリソースとして提供され、アイディアや方向性の確認機会が豊富にあります。

授業自体の負荷は軽いものの、グループでの事業アイディアの洗練に授業外の時間が必要となります。従って総合的に見たときの授業の負荷は、受講者の意欲によって大きく変わります。自分次第で成果が変わる、という意味では非常にフレキシブルであり、一方でコミットメントが低いと感じることもあるかもしれません。(私個人としては、起業は他人から教わるものではなく、自分で創り出すものというのを良くも悪くも体現できている、起業の本質を捉えた良い授業だと思いました。)

 

Entrepreneurshipの領域におけるこれらの授業紹介を通じて、皆さんが自分のビジネスアイデアやイノベーションについて深く考え、実践する機会を得られることを願っています。他の分野にも魅力的な授業がたくさんありますので、在校生や卒業生から話を聞く際には、ぜひ自分の興味を広げてみてください!