ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

Rossの授業紹介!~Accounting編~

こんにちは!FTMBA2年目のR.S.です。
東京でも雪が降ったとニュースで見ましたが、アナーバーは3cm程度雪が積もっている状況が続いています。
 
今日は私が前学期にとっていたAccountingの授業「ファイナンシャル・コミュニケーション」について紹介したいと思います。
 
どんな授業?
本授業は、企業が投資家とどのようにコミュニケーションをとるべきかを学ぶ授業です。
会計の授業ですが、ファイナンスの授業とも近い印象を受けました。

具体的には、以下の項目にフォーカスを当てて、ケースを1つずつ議論し、学んでいきました。
1. コミュニケーション内容:企業活動や経済状況を踏まえて、何をコミュニケーションすべきか
2. コミュニケーション手段:株主年次総会、決算報告、プレスリリース、対面授業、SNSなどの手段をどのように組み合わせてコミュニケーションしていくべきか
3. コミュニケーション対象:投資家(機関投資家、個人投資家、アクティビスト、etc.)だけでなく、競合他社、政府(中央政府、州政府)、雇用者、顧客、サプライヤーなどのステークホルダーとの関係を踏まえてどう戦略を練るべきか
4. 情報仲介者(アナリスト、メディア):どのようにこれらセクターと関係をもち、コントロールしていくか
5. 可視性(Visibility)、信用性(Credibility):企業の特性(中堅企業?BtoB or BtoC?を踏まえた注目度の違いなど)やトップの信用力(CEOの影響力等)を踏まえてどうコミュニケーションを組み立てるか
最後のクラスでは、サステナブルファイナンスやステークホルダー主義についても議論しました。


宿題やテスト・レポートは?
毎回の授業でケースに関する簡単な質問に答える必要がありました。また、ディスカッションのオンラインフォーラムに、毎週2件、授業関連の記事を投稿するか、クラスメートの投稿にコメントするという宿題がありました。
・中間試験が授業半ばにあり、事前にケースが与えられ、そのファイナンシャル・コミュニケーションについて枠組みを使って分析する記述問題があたえられました(質問が与えられて2時間で解答する必要)。期末にはグループレポートを2つ提出する必要があり、1つはグループで記事を選んで、その情報をもとにコミュニケーション全体を分析するもの、もう1つは会社と状況を選んで、リサーチをしたうえで、コミュニケーション戦略を提案するものでした。
 
 
この授業は、コミュニケーションという捉えにくいものを、1つの枠組みを使いながら噛み砕いて分析し、そして戦略を考えていくプロセスを何度も経験でき、非常に実践的でした。今まで仕事でファイナンシャル・コミュニケーションについて関わることもあったのですが、それに対する解像度が非常にあがった気がします。
また、 投資家の関心度合いやアナリストのプロファイルによって、望ましいコミュニケーション戦略は大きく違ってくることを強く感じました。特にフランスの石油会社Totalのケースは面白く、あらゆるコミュニケーション手段を駆使するというのはこういうことなんだな、と感じました。
 
選択科目はより実践的なケースや問題に取り組むので、課題の難易度があがる一方、とても勉強になります。
残りの最終学期も最大限学びを得られるよう頑張りたいと思います