ミシガン大学MBA日本人ブログ

ミシガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネス在校生、卒業生の日頃の生活や学習内容などを紹介していきたいと思います。

私にとってのMichigan(卒業生からの寄稿)

こんにちは。FMBA Class of 2022のM.T.です。本日はミシガンロスの卒業生からの寄稿文の第三弾を掲載します。寄稿文では、ロスでの学びが卒業後のキャリアにどのように活きたかについて記載してもらいました。

ロスへの入学に関心のある方には、ロス入学後の学びやキャリアを具体的にイメージするうえで参考になる内容かと思いますので、ぜひご一読ください。

 

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「私にとってのMichigan」


Class of '96年の藤倉と申します。 

 

この1月に民営化されたグループの持株会社へ転職をしたこともあり、Alumniのみなさんへのご報告も兼ねて寄稿しました。今回転職したグループは地域に根付いた全国ネットワークを持ち日本の社会インフラ基盤の一部となっている企業グループであり、歴史を重ねて作り上げられたこの基盤を新しい時代に合わせて進化させていくことができれば社会貢献になるのではないかと思い、新しいポジションへのチャレンジを決めました。

 

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1996年 校舎前にて

 

私はもともと大手保険会社の企業派遣生としてMichiganに留学しました。ここに約14年勤務した後に米国ソフトウェア会社に約4年、米国コングロマリットの金融部門に約10年、そこがメガバンクグループ傘下のリース会社と合併し約2年、日本の事務機器メーカーの新規事業開発部門に約2年半、そして今回のポジションへと主に企画畑でのキャリアを歩んできました。かなり多様な業界を経験してきていますが、どのポジションにおいてもMichiganで学んだ経験が大きく役立っていることを実感しています。

 

業界が異なれば、当然ながらその業界特有の知識を持つことは必要となりますが、一方で、業界を超えて通じる共通な力というものがあると思っています。入手した情報から客観的に状況を分析し、重要なキーとなる要因を見つけ出し、アクションの影響を想定し、そのうえで最適な判断をしていく。ビジネスにおいては繰り返しこの対応が求められますが、Michiganの授業のなかでこういった思考のベースを作ることができたおかげで様々な業界において自分の役割を果たしていくことができたと思っています。

 

MBAの授業では徹底的に考え抜くことが求められます。財務やマーケットのデータは当然のこととして、組織における課題や消費者のセンチメント、題材によっては相手の心理的な動きまでも想定して議論が行われます。その議論も経営層等、高いレベルの立場での議論が多く、これにより実際のビジネスに戻っても常に視点を高く持つことを習慣づけられたと思います。


また、ここでひとつ重要なのは常に絶対的な正解があるわけではないということです。自分が考え抜いた結論があっても、グループワークや授業のなかで他の仲間から自分が持っていなかった視点の意見によって「はっとする瞬間」というものを経験します。自分の考えのみに執着せずに、常に柔軟な視点を持って対処していくことを学びました。
議論の題材はいろいろと変わりますが、繰り返し様々な議論を行うことによってこうした思考のフレームワークの土台が形成され、徹底的に訓練されたことが後にキャリアを歩むうえでの財産となりました。

 

それぞれのMBAスクールは学校毎に大事にしているカルチャーを持っていますが、Michiganには、お互いを尊重し、お互いに成長していこうという校風が浸透しています。相手をやり込めようとして自分の正しさのみを主張するような生徒は受け入れられません。それにより、グループワークでも、クラスのディスカッションでも、非常に建設的な意見が活発に出てきます。私が卒業してからもう25年以上経ちますが、各世代のAlumni、そして在校生のみなさんからも同様な声が絶えることなく聞こえてくるのは、この価値観が不変のものとして受け継がれているということだと思います。こうした思考を磨くためには非常に適した学校だと思います。

 

また、MBAそのものは2年のカリキュラムですが、Michiganからは卒業してからも様々な価値を享受し続けています。同期での飲み会や世代を超えたイベント、ネットワークを繋ぐブログ等で他の卒業生が志高く活躍していることを知る度に、新鮮な刺激を受け気持ちを新たにしています。今回もブログを書きながら自分のキャリアを振り返り、Alumni の一員として誇りが持てるようにこれからも向上心を持ち続けなければならないと改めて感じています。(Alumniとしてのこうしたモチベーションがなければ、今回、新しいチャレンジをするために転職することはなかったかもしれません。

 

ここからは余談です。

 

コロナ禍が起こる直前に20数年ぶりにAnn Arborを訪れました。入学当時、私は26歳でしたが早いもので現在はもう54歳。これだけの年月が経ったにもかかわらず、町の雰囲気が当時とほとんど変わっておらず嬉しかったです。本当に素敵な町です。(ビジネススクールの建物は立派になっていましたが。)

 

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1996年当時の校舎

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1996年のアナーバーの街中

FootballとBasketballはいまだに毎年見ています。Michiganつながりの知り合いの年賀状には、今年のFootballは強くて楽しかったと多くの方が書いていました。みなさん同じですね。これもMichiganならではの楽しみです。

 

思いつくままに脈絡もなく書き綴ってきましたが、Michiganで学んだこと、そしてその後もAlumniとして刺激を受け続けてきたことは私にとってかけがえのない財産です。
少しでもみなさんにその思いを伝えることができていれば幸いです。

 

卒業生のみなさん、在校生のみなさん、これからも世代を超えてお互いを高め合っていく関係を持ち続けたいと思います。


Candidateのみなさん、実りのある留学生活を送れるよう頑張ってください。